一人で吹きガラスをやっているので、むずかしい事はいろいろあるが、水差しの取っ手を付けるのには、最初のころかなり悩んだ。
本体部分は、形が変わらないよう、ある程度冷めていないといけないし、冷めすぎても、取っ手がくっつかなくなるので、さまし加減がむずかしい。
そして取っ手のほうは柔らかいほうがいいのだが、あまりに柔らかいと、変なところに曲がってくっついたりするので、ちょっと硬くなったくらいがちょうどいい。
ということは頭ではわかっているのだが、ガラスのほうはそう都合よくは動いてくれない。
一応、本体のほうは冷めないように電動竿回し機にのせ、二重プロパンコンロであぶってはいるが、取っ手のほうを、急いで付けないと、とあせると、ぐにゃぐにゃになって、失敗してしまう。
で、ある日、息を吹き込んだ取っ手を付けてみたら、意外と安定していてうまくいった。
技法上、「息手」もしくは、「ブローハンドル」といって、知ってはいたが、それまでやったことはなく、なんとなくむずかしいのでは、と敬遠していたのだが、やってみると意外と簡単で、むしろ息を入れることで、安定して付けやすくなる。
それ以来ずっとこの方法でやっている。
今では無垢の取っ手は小さいものか、色ガラスで生地が硬い時ぐらいしかやらなくなった。
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